不動産投資を成功させる管理会社の選び方
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2022年3月24日更新
不動産投資の出口戦略で、最も多くの投資家が選ぶ方法は「売却」となっています。 ただし売却を行う際には、損益分岐点を見極める、所有期間によって税金の額が異なるなどの注意点が存在し、「タイミングが難しい」と悩む投資家は数多いです。 今回は、不動産投資で売却する時に注意すべきポイント3つと、売却以外の出口戦略を選べる物件について解説していきます。
自分が住む、相続対策として利用するなど出口戦略が豊富なタイプの物件をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
不動産投資における物件の売却では、損益分岐点・売却益を計算する、所有期間によって支払う税金の額が異なる点に注意しましょう。 特に所有期間が5年を境に税率が変わる「譲渡所得税」は、物件によっては大きな差が出る事になります。
損益分岐点とは、不動産投資において利益と損失が交わる地点です。経営において赤字と黒字の境目とも言えるでしょう。 不動産投資は初めに不動産を購入しますので、費用が高くなりマイナスからのスタートになるケースが多いですが、初年度以降は一定の額で推移する可能性が高いです。 費用は管理会社への委託費用、修繕費、投資用ローンの金利などが該当し、予期せぬ修繕費や出費がある可能性があります。 家賃は建物の経年劣化とともに下落する傾向があります。 不動産会社と共に損益分岐点を計算し、今後の経営を見極めた上で売却を判断しましょう。
不動産を売却した代金から取得のための費用と譲渡費用を差し引いた部分を譲渡益と呼び、売却による利益となります。 譲渡益から特別控除額50万円を差し引いた金額を「譲渡所得」として一定の税率をかけ「譲渡所得税」として税金を納める事になります。 取得に関わる費用は購入した時に支払った不動産の代金、購入手数料のほか設備費や改良費、登録免許税、不動産取得税、土地の測量費などが該当します。
譲渡費用は売却のために支払った不動産会社への仲介手数料、印紙税、立ち退き料などです。
譲渡所得に対して所有期間の長さにより一定の税率が掛けられ「譲渡所得税」が算定されます。 譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える建物が長期譲渡所得、5年以下の建物は短期譲渡所得となります。
※2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。
例えば売却代金が1000万円で取得費用と譲渡費用が250万円の建物を5年以内に売却した場合には、譲渡所得は700万円となります。
(1000万円-(取得費用と譲渡費用250万円)-特別控除額50万円)=700万円
短期譲渡所得となりますので、所得税210万円、住民税63万円が課されます。(※復興特別所得税を除く) 長期譲渡所得の場合には、所得税105万円、住民税35万円となりますので、大きな差がある事が分かります。 投資用不動産の売却時には「所有期間が5年を超えるか」という点にも注意してみましょう。
不動産の売却代金は、建物や土地の価値、エリア、タイミングなどにより決定します。 建物は新築時に一番価値が高く、経年と共に価値が減少します。20年を過ぎると価値は一気に下落しますが、エリアにより異なります。 オリンピックや万博など大規模なイベント前には価値が上がる傾向がありますので、タイミングも売却代金に関わる重要な要素であると言えるでしょう。
例えば古民家などを改装した宿泊施設「民泊」は、主なターゲットが訪日外国人であったため、新型コロナ感染症の影響で廃業するオーナーが急増し、売却価格も下がってしまいました。新型コロナのような予期せぬ災害で売却価格に影響が出る事例があります。 なお都心は一般的に地価が高く、郊外は低い傾向にあり経年により建物が劣化しても都心は売却価格が落ちにくい傾向にあります。
不動産投資で売却を行う際には、「売却益がどのくらい出るか」を把握しておきましょう。 不動産会社に査定を依頼し、査定額を提示してもらう事でおおよその売却価格が分かります。
売却価格から購入・売却に関する費用を差し引いた金額が「売却益」となります。 損益分岐点と売却益の試算、税金という3つの不動産投資における売却の注意点をお伝えしてきました。
不動産投資において売却はタイミングが難しく、投資家は「いつ売却したら良いか」「出口戦略は売却で良いのか」と頭を抱えるケースが多いです。 次は「売却」以外の不動産投資の出口戦略についてお伝えしていきます。
不動産投資の出口戦略は、売却以外にも「自身で住む」「子供や親戚に譲る」「相続を行う」など様々な選択肢があります。 一棟投資では土地を所有するケースが多い事から、「解体して駐車場・コインランドリー経営など土地活用を行う」「解体して土地を貸し出す」などの方法も選択できます。 ただしワンルームマンションの場合、自身で住むことは難しく、相続を行っても物件価格が安い事から税金対策の効果があまり出ないケースが多いです。 出口戦略で有利となる物件は「コンパクトマンション」です。
コンパクトマンションとは約30~50㎡程度の広さのマンションで、ワンルームとファミリー向けのマンションの中間のタイプとなります。 コンパクトマンションは単身世帯だけではなく、夫婦など2人世帯にも対応できます。そのため「運用後に自身で住む」という選択が可能となります。加えて今後少子高齢化が進み、単身・2人世帯の数が多くなっていく中で高い需要が見込めます。
相続税対策としても、ワンルームより費用が高いため節税の効果も高くなります。 加えてマンション・アパート一棟投資も選択肢に幅が広がる投資法です。
都心に多いタワーマンションは、建物の中に多くの戸数が存在し所有している土地の持ち分を示す「敷地権割合」が低いことが特徴です。 敷地権割合が低くなることで、相続における評価額を圧縮し相続税がおさえられる可能性が高くなります。相続税対策として有利な物件と言えるでしょう。 コンパクトマンション、マンション・アパート一棟、タワーマンションが出口戦略の幅を広げられる物件となります。
不動産投資で売却時に注意すべきポイント3つ、出口戦略が豊富な物件をご紹介してきました。 売却以外の選択肢としては、運用後に自分が住む・相続などがあり、売却のようにタイミングを見極める知識や時間がかからない方法となっています。 コンパクトマンション、マンション・アパート一棟、タワーマンションという物件で出口戦略の幅を広げた不動産投資を行っていきましょう。
人物
氏名
小川 進一
保有資格
・(公認)不動産コンサルティングマスター
・相続対策専門士
・不動産エバリュエーション専門士
・宅地建物取引士
・賃貸不動産経営管理士
・定期借地借家プランナー
プロフィール
不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
自身も都内に複数所有している実践大家。