不動産投資を成功させる管理会社の選び方
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2021年10月15日更新
不動産投資をしてみたいと考えているけれど、首都圏では物件価格が高すぎて手が出ない、地方都市の方が高利回りなのではと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、地方都市の不動産投資では特に空室リスクに要注意です。地方では人口減少が大きいエリアもあるため、賃貸需要の見極めはとても重要になります。
この記事では、地方都市の不動産投資で得られるメリットやリスクのほか、物件の選び方についても解説します。
地方の物件に投資する最大のメリットは、物件価格を抑えて利回りの高い投資ができることです。データを用いて具体的に解説します。
地方物件に投資する最大のメリットは、東京など首都圏と比較すると安価に物件を購入できることです。不動産流通機構が発表した2020年12月のレポートによると、都道府県別の中古マンション成約価格は以下のようになっています。
※参照:レインズデータライブラリー
http://www.reins.or.jp/library/2020.html
特に東京都では物件価格が高くなっています。大阪府は地方都市の中では物件価格が高い方ですが、東京都の物件価格は大阪府の約1.9倍です。また、北海道・宮城県・福岡県などと比較しても、東京都の物件価格は約2.5倍になっています。
物件価格が安いということは、ローンを利用して不動産投資をする場合に、借り入れ金額が少なく済むことにもなります。ローン返済のリスクや支払金利を抑制できることも、地方の物件に投資するメリットです。
地方物件は、都心物件よりも価格が安いため利回りが高くなります。利回りは家賃収入を物件価格で割りもどして計算するためです。賃貸住宅の家賃は、東京と地方都市とで物件価格ほど大きな差がありません。
不動産投資と収益物件の情報サイト健美家が発表したレポートによると、2020年第4四半期の都市別利回りは以下の通りです。
※参照:不動産投資と収益物件の情報サイト健美家
https://www.kenbiya.com/ar/ns/research/kenbiya_report/4379.html
札幌市や仙台市の利回りは東京23区の約2倍となっています。また、福岡市や名古屋市も東京23区より1%以上利回りが高いです。利回り重視で投資物件を選ぶなら、東京都心よりも地方都市で選ぶほうが良いと言えます。
物件価格が安く高利回りという点で地方物件はメリットが大きいです。しかし、入居者が入らなければ、想定利回りが高くても意味をなしません。地方の物件に投資する場合は、空室のリスクには特に要注意です。
コロナの感染拡大に伴って人々の働き方は変化のタイミングを迎えています。この結果、2020年は東京都で人口の流出超過が起こるなど、東京一極集中の流れは変わりつつあります。しかし、2021年時点で、日本全体ではすでに人口減少が始まっていることも事実です。
また、地方都市には人口減少が特に顕著な都市もあります。人口の減少は住宅需要の低下につながるため、地方都市では空室リスクに要注意です。
そのほか、地方都市では賃貸住宅を選ぶと同時に住宅購入を考える人も多くなります。東京では不動産価格が高いため、「住宅購入はできないから賃貸に住む」という人も一定数いることは事実です。
しかし、地方都市では東京よりも住宅価格が安いため、「賃貸で家賃を払うくらいなら、ローンを組んで住宅を購入できないか」と考える人もいます。地方都市の不動産投資では、物件の競争力を保たなければ、入居者を見つけられないリスクがあります。
地方都市は、もともと人口が少ないため、景気が悪くなった時などの影響が大きいものです。景気の悪化に伴い家賃相場が下がってくると、少ない入居者の取り合いをする上では、家賃を下げなければ競争力を保てないこともあります。
そのほか、景気が悪化すると、転勤で首都圏から来ていた人などが帰任することも起こり得ます。例えば東京はもともと人口が多く賃貸需要も高いので、景気悪化の影響があっても軽微で済むことも考えられますが、地方では経済変動に要注意です。
地方の物件に投資するならば、ある程度家賃が下がっても収益を保てる物件を選ぶ必要があります。
首都圏と比較すると地方都市では不動産の取引数が少ないものです。不動産流通機構が発表した2020年12月のレポートによると、都道府県別の中古マンション取引数は以下のようになっています。
※参照:レインズデータライブラリー
http://www.reins.or.jp/library/2020.html
東京都の取引件数は大阪府の2倍近いなど、他県とは圧倒的な差があります。投資用物件の売却は実需向けの売却と異なる側面を持つことも事実です。しかし、東京都と他の都道府県とでは不動産市場の規模に大きな違いがあることは認識しておく必要があります。
物件の売却可否は、不動産投資の最終的な利益を確定する出口戦略に影響を及ぼします。あらかじめ物件の売却まで見据えた計画を立てておくことが重要です。
地方の不動産投資では、特に空室リスクに要注意です。リスクを下げるためには、どのように物件を選べば良いのか解説します。
特に大学や大企業の工場など、周辺にある特定の施設に賃貸需要を依存している物件は避けるほうが無難です。万一施設が移転すると賃貸需要が一気に下がってしまい、入居者を探すのに苦労します。
最初から一定期間経過後に物件を売却する前提で、移転したての施設付近で物件購入するのであればリスクは下がります。しかし、施設完成後に長期間経過した後のエリアでは要注意です。
空室による失敗を防ぐために何よりも重要なことは、賃貸需要のあるエリアで物件を選ぶことです。エリアごとに賃貸需要を調べるための方法は2つあります。
1つ目はエリアごとの空室率を確認することと、2つ目は人口推移を確認することです。エリアごとの空室率を確認するためには、LIFULL HOME’S 不動産投資の「見える!賃貸経営」というサイトが役立ちます。
このサイトでは、エリア別に空室率を確認できるほか、実際に検索者が検索している間取りなども確認可能です。エリアごとに人気のある間取り・家賃・広さなどを絞り込んで物件検索できます。
人口推移については、各都道府県の行政が毎月の人口増減などを公表しています。例えば、「東京都 世田谷区 人口推移」などの検索ワードで検索すれば、行政が公表している人口推移を確認可能です。ぜひエリア選定の参考にしてみてください。
地方都市で不動産投資をするなら、どの物件に投資すれば良いのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。物件種別によって特徴は異なるため、最初に投資の戦略を描くことが重要です。
とにかく投資の利益を拡大していきたいのであれば、アパート投資がおすすめです。相応のリスクは伴いますが、地方の木造アパート投資などは特に利回りが大きくなります。
地方都市は首都圏と比較すると地価も安いため、土地を仕入れてアパートを建設しても、1億円以上など費用が大きくなることは少ないものです。あるいは、これから投資を始めたいと考えている人は、ローンを使えるのであれば、首都圏郊外のアパートなども検討してみてはいかがでしょうか。
長期的に物件を組み替えつつ大きな現金収入を積み重ねていきたいのであれば、RC造マンションを1棟買いするのもおすすめです。アパートは軽量鉄骨もしくは木造などで建設するケースが多くなります。
軽量鉄骨もしくは木造の建物は、法定耐用年数がRC造の建物よりも短いデメリットを持っています。ローン審査において、金融機関は建物の法定耐用年数を確認するためです。
RC造の建物は法定耐用年数が長いため、物件売却するときに買い手候補者が長期のローンを組めます。毎月の返済負担が軽いと買い手候補者が増えるため、物件を売却する上ではRC造の建物は有利です。
まとめ
地方都市の不動産投資には、物件価格が安く利回りが高いメリットがあります。しかし、空室や物件売却などの点にリスクがあることも事実です。地方の不動産投資で失敗のリスクを下げるためには、あらかじめ賃貸需要のあるエリアで物件を選ぶことなどが重要になります。
また、地方都市では物件価格が安いために、一棟ものの投資にもチャレンジしやすいです。利回り重視であればアパート投資、将来的な物件の売却も視野に入れるのであれば、RC造のマンションを選ぶのがおすすめです。
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人物
氏名
小川 進一
保有資格
・(公認)不動産コンサルティングマスター
・相続対策専門士
・不動産エバリュエーション専門士
・宅地建物取引士
・賃貸不動産経営管理士
・定期借地借家プランナー
プロフィール
不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
自身も都内に複数所有している実践大家。