マンション投資基礎知識

コンパクトマンション投資とは?ワンルームとの違いやメリット、注意点も

「コンパクトマンション投資」とは、ワンルームとファミリーマンションの中間の広さであるマンション(コンパクトマンション)へ投資する不動産投資の手法です。 コンパクトマンション投資は、少子高齢化の影響により単身・2人世帯が増加する中で需要が高まり、出口戦略が豊富であることから投資家の注目を集めています。 

多くの投資家が行っている不動産投資と言えば「ワンルームマンション投資」ですが、コンパクトマンション投資と一体どのような違いがあるのでしょうか? この記事ではコンパクトマンション投資とワンルーム投資の違い、コンパクトマンション投資のメリット・注意点をお伝えしていきます。 

コンパクトマンション投資とは?ワンルームとの違い

コンパクトマンション投資とは、約30~50㎡の1人又は2人世帯向けのマンションを購入・運用する不動産投資の方法の1つです。 単身世帯向けのマンション投資としてはワンルーム投資がありますが、コンパクトマンションとの主な違いは以下の通りです。 

ワンルームとコンパクト(ファミリー)マンションの比較

コンパクトマンションはワンルームより広くキッチンやセキュリティなど設備も充実している点が魅力で、女性にも人気があります。 「ワンルームに住んでいたけどコンパクトマンションに引っ越した」という単身世帯や夫婦2人で共働きの世帯、夫婦2人と小さな子供がいる世帯、子供が独立した老夫婦などが主な入居者となります。 ワンルームより家賃が高いため、入居者が30代以降で比較的収入が高い層であることが特徴です。 物件の数はワンルームより少ないですが、その分希少価値があり早めに入居者が決まることがあります。 

コンパクトマンションの投資用物件としての魅力とは

コンパクトマンションは1人・2人世帯どちらにも対応可能であることから、需要が高いことが特徴で、発売戸数とシェアは年々伸びています。 株式会社不動産経済研究所が行った、2019年の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)におけるコンパクトマンション(30㎡以上50㎡未満)の発売戸数とシェアの推移を見てみましょう。 

首都圏::コンパクトマンションの発売戸数とシェアの推移

首都圏でコンパクトマンションの戸数が多いエリアは以下の通りになっています。 

首都圏コンパクトマンション 市区別上位20エリア

1位は千代田区、次いで中央区・新宿区となっています。 2018年におけるコンパクトマンションの平均価格は4439万円、平均専有面積は38.5㎡となっています。投資用として購入する際に参考にしましょう。 

コンパクトマンションのメリットとは

コンパクトマンションのメリットは、主に以下の6つがあります。 

コンパクトマンションのメリット6つ

1人又は2人で住む事が出来るため、投資用・居住用どちらにも対応できます。投資用物件として運用した後には、売却だけではなく自身で住む、相続するなどの選択肢があり出口戦略が豊富です。 

近年の少子高齢化の影響で、単身世帯、65才以上の夫婦の世帯が増加しており、将来的にも需要が高くなると推測されます。 

コンパクトマンション投資の注意点

コンパクトマンション投資の注意点は、割高となる可能性がある、住宅ローンの減税制度の要件緩和で購入する人が増える可能性があることです。 ただし住宅ローン減税制度の要件緩和はまだ実地されていないため、可能性は未知数となります。 

住宅ローン減税の要件緩和でコンパクトマンションを購入する人が増える?

2020年12月に閣議決定された2021年の「税制改正大綱」において、住宅ローン減税制度の要件が緩和されることが分かりました。 一定の要件を満たす場合、住宅ローン減税の延長措置の適用が拡大されます。また床面積の適用要件は今まで50㎡以上でしたが、合計所得が1000万円以下の方は40㎡以上50㎡未満でも可能となりました。 要件緩和によりコンパクトマンションを購入する世帯が増えると予測され、「コンパクトマンションを借りる人が減るのでは?」と心配する投資家もいらっしゃることでしょう。 しかし単身又は2人世帯の増加率は高く、賃貸と購入にはそれぞれメリット・デメリットがあり「購入ではなく賃貸が良い」という方は一定数存在しますので、大幅に需要が落ちる可能性は低いと推測されます。 

割高となる可能性も

コンパクトマンションは駅近・都心など好立地にあるため、真四角の整地ではない形状の土地に建てられることがあります。 一般的に土地は整地(四角又は真四角)の方が、単価が高く設定されていますので特殊な形状の土地では1㎡当たりの金額が割高になってしまう可能性があります。 ただし購入金額を含め収支シミュレーションを行った結果問題ないようであれば、若干割高な価格で購入しても運営で収益を上げられるでしょう。

コンパクトマンションで効率の良い投資を

コンパクトマンション投資はワンルームよりも入居者のターゲットが広く、出口戦略が豊富というメリットがあります。 特に売却だけではなく、自身で住む、相続するなどの選択肢が多い点が魅力で、「売却では利益が出ないようであれば自身で住む」など柔軟な出口戦略が可能となります。 ワンルームマンション投資を数年のサイクルで行うオーナーは多いですが、売却と購入の手間や諸費用を考慮するとコンパクトマンションを購入した方が、投資として効率が良くなる可能性が高いです。 不動産投資をこれから始める予定の方も、現在不動産投資を行っている方も投資効率の良いコンパクトマンションを検討してみましょう。 

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。