売れない・貸せない・利益が出ない 負動産スパイラル
姫野 秀喜 (著)
2022年8月8日更新
不動産投資を勧める不動産会社の中には、不動産投資による節税のメリットを強調して営業をかけているところも少なくありません。しかし、不動産投資は資産を増やす運用である一方、なぜ税金を減らすことにつながるのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
不動産投資による節税は近年流行している手法ではなく、古くから多くの投資家が実践している資産防衛方法です。不動産投資の節税について、その仕組みや効果について解説している本をご紹介します。
目次
本書では、不動産投資による資産拡大のポイントはキャッシュの最大化であるとしたうえで、キャッシュを増やす方法の1つとして節税についても触れています。
また、不動産投資によって節税するためには減価償却の仕組みを利用して所得税・住民税を減らすことが不可欠です。本書では減価償却の仕組みについて基礎的な知識を解説するとともに、所得税還付の具体例についても提示しています。
不動産投資において新築物件と中古物件とのどちらが有利なのかという疑問は、特に多くの初心者が疑問に感じるポイントです。減価償却の仕組みを利用した節税効果については、中古物件の方が圧倒的に有利であり、本書ではこれについても例を用いて比較しています。
不動産投資の初心者にとって、今後元手となるキャッシュを増やしていく上で最良の選択肢となるのは、節税による税還付を最大化できる中古の1棟木造アパートです。
ただし、中古の木造アパートは金融機関から見た積算評価が低く、資産規模の拡大において必要となる担保価値が認められないため、あくまでも最初は中古の木造アパートが適しているという話になります。
本書では資産規模の拡大に必要となる融資対策についても触れており、共同担保に入れることを意識して、可能な限り地価が高い物件に的を絞って物件を選ぶことが有効とされています。
本書の詳しい内容はこちら
https://fukuram-asset.com/special/ownresources.html
不動産投資においてキャッシュを増やすためには、可能な限り家賃を上げるためのアイデアや空室を埋めるための対策などが必要です。しかし、減価償却費の計上による節税は、知識の有無によって実際のキャッシュが変わるため、資産拡大を目指すのであれば身につけておくべき知識であると言えます。
本書では減価償却の計上を活用した節税の仕組みについて基本から解説するとともに、減価償却の仕組みを利用する上での注意点についても触れています。なお、本書で解説されているのは法人で不動産投資を進める場合の方法論です。
減価償却の仕組みを利用する上での注意点とは、減価償却費の計上による法人税の節税は、税金支払いの繰延にすぎないということです。
不動産投資では物件を売却することによって1つの投資が完了します。物件を売却すると、法人の場合は売却益に課税される法人税の支払が必要です。ここで注意すべきポイントは、法人税を課税される課税対象額となるのは、物件売却額から物件の簿価を差し引いた税務上の売却益であるという点です。
物件の簿価とは、物件の購入額から計上済みの減価償却費を差し引いた金額であるうえに、個人と違って法人税には物件の売却時期による税率差が生まれません。
端的に解説すると、減価償却の仕組みを利用して減らした法人税は、物件を売却した時にまとめて支払う必要があります。法人における減価償却の賢い利用法は、利益が上がって法人税が高くなると見込まれる時期に減価償却費を計上することです。
本書では、このようなノウハウとともに、減価償却に関する初歩的な疑問などについても解説されています。
本書の詳しい内容はこちら
https://fukuram-asset.com/special/depreciation.html
中小企業経営者の中には、本業が上手くいかない時期に備えて第2の柱となる事業を作りたい、税金対策によって企業の内部留保を増やしたいと考える人も多いのではないでしょうか。
中小企業及びその経営者にとって有効な資産運用には様々なものがありますが、節税対策と実際の収益確保を両立できる不動産投資は最適であると考えられます。
本書では、不動産投資が他の資産運用と比較して優れているポイントや、法人による節税を意識する場合に選ぶべき物件の特徴などについて詳しく解説しています。
節税のノウハウについては前項でも触れている通り、減価償却の仕組みを活用したものが中心的です。本書では肝となる減価償却の仕組みに加えて、ベストな物件の種類やイールドギャップの目安についても踏み込んでおり、物件選びについては特に実践的な内容となっています。
さらに、不動産投資で赤字を出して本業へ影響を出さないよう空室リスクなどの対策についても解説しており、中小企業及び経営者にとって網羅的な内容となっているのが特徴的です。
本書の詳しい内容はこちら
https://fukuram-asset.com/special/sme.html
ここまでご紹介してきたのは、主に所得税・住民税・法人税を節税するためのノウハウについて書かれた本です。これら3種類の税金に加えて、相続税も不動産投資による対策が可能となります。
本書では2015年1月に改正された相続税法の詳細を解説するとともに、不動産投資による相続対策のポイントなどについても触れています。不動産投資による相続対策のポイントになるのは主に以下の内容です。
また、アパート経営による相続税対策を多くの不動産会社が地主に勧めていますが、あまり良くない印象を持っている人も多いのではないでしょうか。本書ではアパート経営が相続税対策になる根拠も提示されているため、一読すれば納得感を持ってアパート経営に取り組めます。
なお、相続税対策であっても実際の運用において空室が多くなると、相続人に負担をかける結果となりかねないため要注意です。
相続に関連する情報は専門性も高く難しいと感じがちですが、本書はムック本のような体裁をとっており、比較的読みやすいのが特徴となっています。
本書の詳しい内容はこちら
https://fukuram-asset.com/special/yumesouzoku.html
不動産投資における法人化というと、可能な限り物件運用を法人で進めることでまとめて税金を圧縮するものと思いがちです。しかし、収益や減価償却の状況によっては、個人による運用と法人による運用を使い分けるほうが節税効果の最大化につながるケースもあります。
本書は家賃収入による収益の拡大から節税及び相続まで見据えて個人と法人とを使い分けることで、資産運用の効率を最大化するノウハウについて解説しています。
具体的には、1DKもしくは1LDKの区分マンションを複数同時に運用することで分散投資を図り、場合によっては物件の売却によって現金化を図ります。
なお、法人による投資においては通常の賃貸運用とサブリースの仕組みを利用した運用とを組み合わせ、それぞれのリスクを補完していくのが安全な運用方法であるとしています。
本書の詳しい内容はこちら
https://fukuram-asset.com/special/jibunreit.html
人物
氏名
小川 進一
保有資格
・(公認)不動産コンサルティングマスター
・相続対策専門士
・不動産エバリュエーション専門士
・宅地建物取引士
・賃貸不動産経営管理士
・定期借地借家プランナー
プロフィール
不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
自身も都内に複数所有している実践大家。