本に学ぶマンション投資

不動産投資を法人でスタートする前に読んでおきたい5冊

弊社が運用するウェブサイト「マンション投資の教科書」ではこれまで様々な不動産投資の本についてご紹介してきました。

今回は、不動産投資の法人化に当たって事前に読んでおきたい5冊の本について内容をご紹介いたします。

不動産投資のお金の残し方 裏教科書

税金は不動産投資に必要な経費の中でも大きな割合を占めるものであり、節税は現金収入を増やすために必要な手段です。しかし、以下のような疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか。

  • 節税対策に有効な物件とはどんなものなのか、どう物件を選べば良いかわからない
  • 節税と言ってもどのように進めれば良いのかわからない
  • 違法行為と指摘されて後で追徴課税されるようなことにならないか不安

本書では「キャッシュフロー」とも呼ばれる不動産投資の手残り額に着目し、キャッシュフローを上げるために着目すべき指標、購入を避けるべき物件の種類に加え、節税のポイントとして法人化について解説しています。

実際に解説されているのは、例えば以下のようなポイントです。

  • 物件選びにおいて着目すべきポイントはキャッシュフローと返済比率
  • 利回りの目安は表面利回りで新築物件は10%、中古物件は15%
  • 避けるべき物件の代表例は新築ワンルームマンション
  • 法人税は減税傾向、所得税は増税傾向が続いているため節税は法人の方が有利
  • 法人化のデメリット

個人事業主と比較した場合に法人化のデメリットとして挙げられているのは、収支が赤字でも住民税均等割りを必ず支払わなくてはならない点や、社員が社長のみでも必ず社会保険に加入しなくてはならない点などです。

法人化は不動産投資における1つの指標や通過点として語られることも多いものですが、果たして本当にメリットがあるのか知りたいという人にとっては、メリット・デメリットの双方を解説している本書が役立ちます。

本書の内容を解説した記事はこちら
https://fukuram-asset.com/special/nokoshikata.html

アパート・マンション経営は株式会社ではじめなさい

不動産投資の利益には所得税や住民税などが課税されます。法人の設立は節税対策として知られた手法であり、これまで本やセミナーなどで様々なテクニックが紹介されてきました。

しかし、実際にどの程度税金が減るのか、法人を設立すると言ってもどんな法人をどのように設立すればいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

本書では、個人と法人とで税率がどの程度違うのか、法人設立時の注意点は何なのかなどといったポイントを解説しています。具体的な内容は、例えば以下のようなものです。

  • 課税対象額が600万円を超えると税率では法人の方が有利になる
  • 個人よりも法人の方が、経費として認められる範囲が広い
  • 法人には株式会社と合同会社の2種類があり、合同会社の方が様々な小回りが利く
  • 家族役員や従業員への報酬は、職務内容に照合した一般的な金額と比較して極端に高い場合は金額の一部が損金として認められない

法人設立の経験がない人にもわかりやすいよう、初歩的な内容から解説されているほか、巻末には各種契約書や会社の定款に関するサンプルも添付されており、とても親切な内容となっています。

また、本書の著者である山端氏は、土地活用や相続税対策など不動産関連の税務を専門として40年の経験を積んできたベテラン税理士です。長年の経験をもとに綴られた本書の内容は、大きな説得力があります。

本書の内容を解説した記事はこちら
https://fukuram-asset.com/special/incorporation.html
 

不動産投資を事業経営に変える!!資産形成術

法人設立のノウハウや税務効果だけにとどまらず、個人の投資における物件の選び方や融資戦略など幅広く知識をつけたいという場合には本書が役立ちます。

本書では法人化の税務メリットや法人の設立方法などといったノウハウの紹介が、全体的な内容の一部にとどまっています。

しかしながら、そもそも不動産投資を始める意義やメリットに加え、物件の選び方から融資戦略など幅広い内容が解説されているため、法人化もノウハウの1つとして勉強したいという場合には本書を読むのが有効です。

一部では不動産投資を始める時のメンタルについても解説されているため、まだ不動産投資をしたことがないという人にとっては特に、法人化も含めた考え方やノウハウの勉強という点で役立ちます。

本書の内容を解説した記事はこちら
https://fukuram-asset.com/special/yourvision.html
 

不動産投資と資産管理法人戦略

不動産投資の法人化に関するノウハウやメリットなどを解説している本は多数ありますが、その内容は簡易的なものから専門的なものまで様々です。本書では多数の事例や比較を用いて、かなり専門的な内容が網羅されています。

また、法人化に関する法人税以外のメリットについても触れており、具体的には以下のようなものです。

  • 複数人の家族を役員にして所得税を圧縮できる
  • 経営セーフティ共済を活用することで、掛金を損金算入しつつ積立返戻金を活用可能
  • 短期間で物件を売却する場合の税金は個人より法人の方が低税率となる

そのほか、法人設立にあたって決めるべき内容も事細かに解説されているため、とにかく多くの情報量をインプットしたい場合には本書が役立ちます。

その一方で、数字や文量が多い上に内容の専門性が高いため、例えば不動産投資の未経験者にとってはあまり読みやすいと言えない点に要注意です。

ある程度物件を運用してきた実績があり、実際に法人化を検討する段階で本書を読む方が、理解度が高まるうえに解説されている内容のイメージがつきやすいと考えられます。

本書の内容を解説した記事はこちら
https://fukuram-asset.com/special/houjin.html

1人デベロッパーの勝ちパターンに学べ! 弁護士が実践する不動産投資最強戦略

本書の内容は、ここまでご紹介したような、法人設立による税務メリットを主として解説している本とは異なります。

本書で解説されているのは、パッケージ化された投資用不動産の購入や中古不動産の購入ではなく、収益不動産を自らの手で作り上げる手法についてです。具体的には、土地を仕入れて収益用マンションを建てる方法について解説されています。

収益不動産を作り上げる上でポイントとなるのは、用地探しから入居者を入れるまでの工程で必要となるチームを作り上げることと、金融機関から資金を調達するための準備です。金融機関対策としては、貸借対照表と損益計算書のバランスを整えることが重要とされています。

なお、資産を大きく拡大するためには作り上げた物件の売却も有効であり、不動産投資の出口戦略ともいえる売却の考え方についても解説されています。

物件を自ら作り上げて売却まで進めることは個人でも可能ではありますが、取扱金額が大きくなることを考えると、法人を設立して進めるほうが合理的と言えるでしょう。節税という守りの戦略だけでなく、資産拡大に向けた攻めの戦略も知りたいという場合には本書が役立ちます。

本書の内容を解説した記事はこちら
https://fukuram-asset.com/special/martialarts.html

あわせて
読まれています

人気の記事

人気のタグ

監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。