マンション投資基礎知識

不動産投資の出口戦略は購入前に決まる?出口戦略が必要な理由と6つの方法を解説

不動産投資では出口戦略が重要なポイントとなります。出口戦略としては売却、相続など様々な方法がありますが、物件の売却価格やローンの残債、築年数、個人の事情などにより選択することになります。 

不動産投資では家賃収入だけではなく売却益が収益となりますので、売却を「出口」と設定する方は購入前から物件の出口戦略を考えておくことが必要となります。ただし不動産には売却以外の様々な選択肢が存在します。 今回は不動産投資の出口戦略が必要な理由と目標設定、6つの方法と選び方をお伝えしていきます。不動産投資を既に行っている方はもちろん、これから不動産投資を始めたいという方も是非ご覧ください。 

不動産投資の出口戦略が必要な理由とは?目標の設定方法

不動産投資は購入前から計画を立て、出口戦略を設定しておくことが必要となります。 なぜなら物件を運用している間の家賃収入だけではなく、売却によって得られる利益も不動産投資の収益となるためです。 物件運用中のキャッシュフロー(家賃収入から経費を差し引いて手元に残るお金)と売却益が、ローンの残債を上回っていれば「不動産投資は成功だった」と言えるでしょう。 

売却による出口戦略の目標

不動産投資の出口戦略は、売却以外に相続、自身で住む、解体して土地活用を行う等の方法が存在しますが、実際には物件を運用した後、売却を選ぶオーナーが多いです。 

購入の際には、資産としての価値があり売却の際に利益が出るかを判断した上で物件を選びましょう。 物件の売却価格は築年数、エリア、空室率などにより異なります。エリアや築年数は変えられない部分ですので、「購入の段階で既に出口戦略は始まっている」と言えます。 ただし「不動産」という資産の特性上、出口戦略としては自身で住む、相続など様々な方法があります。 売却以外には一体どのような出口戦略があるのでしょうか?6つの方法を見ていきましょう。 

不動産投資の出口戦略とは?売却、相続、自身で住むなど6つの方法を解説

不動産投資の出口戦略として6つの方法をご紹介します。 多くのオーナーが選ぶ方法は物件の「売却」ですが、相続税対策として相続する、自身で住む、解体して売却又は土地活用を行うといった方法が存在します。 

 

1.売却

最もオーソドックスな出口戦略が「売却」となります。 上記の通り、キャッシュフローと合わせてローンの残債を上回る売却益を目指しましょう。 多くの場合次の持ち主も不動産投資用に購入する事になりますので、「買い手にとってローンが組みやすい物件であるか」という点も重要となります。 物件の耐用年数、減価償却費の計上の可否等を考慮した上で売却価格を決定しましょう。 

減価償却費の計上は木造の住宅で22年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の住宅では47年と定められています。 減価償却費が計上できない建物、築年数が20年を超えている建物は売却価格が低くなる傾向がありますので注意しましょう。 

2.相続

相続は出口戦略として有効な方法で、節税効果があると言われています。 相続税は建物に対しては固定資産税評価額、土地に対しては路線価等を基に評価、計算しますが、どちらも時価より低めの約7~8割に設定されているため、税金の対象となる金額を圧縮する事が可能です。 加えて「小規模宅地等の特例」等の法律により評価額が減額されますので、相続税対策として有効です。物件によっては相続した子供や孫、親戚等が住む事も可能です。 ただし子供や孫が既に家を持っており、不動産運営に興味がない、行う気が無い場合には、相続後に不動産をどうしたらいいかわからない、処分に困る結果となってしまいます。 相続税を節約したい方、子孫に不動産を残したい方は家族と相談した上で、相続という出口戦略を選択肢として検討しましょう。 

3.自分で住む

ローンを完済した後、物件に自身で住むという出口戦略も存在します。 自身で住む事を前提とした場合、都心にあり築年数が浅い「住み心地の良い物件」を選ぶ方が多いです。 

都心で築浅の物件は資産としての価値が高いですが、多くの場合利回りが低く購入費用が高い傾向にあることを留意しておきましょう。 運用した後自身で住む時にはリフォームやリノベーションの必要がある可能性がありますので、改修費用がかかるケースもありますが、出口戦略としては合理的で無駄のない選択肢と言えます。 

4.解体して売却

建物を取り壊し、更地として売却する方法です。築年数が古い建物の場合、更地として売却することで売却価格が上がる可能性があります。 住宅地であれば戸建ての分譲地として不動産会社に売却できる可能性があります。 

5.解体して土地活用

建物を解体し、更地となった土地を駐車場経営や資材置き場として活用します。 立地が良い場合には土地を賃貸し、地代収入を得る事が可能です。 建物の解体費用がかかりますが、後に紹介する新たに建物を建てる活用方法より初期費用が安く済む事がメリットとなります。賃貸経営よりも低リスク・低リターンの活用方法となります。 

6.解体した後別の建物を建てる

建物を解体した後、別の建物を建て運営していく方法です。 太陽光発電設備や老人ホーム、トランクルーム・コインランドリー経営等様々な選択肢があります。再び賃貸住宅を建設し運営する事も可能です。 

解体・建設の費用がかかりますので、初期費用を準備しておく必要があります。 そして賃貸住宅の場合、新築の物件は利回りが低い傾向にありますので初期費用を回収するまでに時間を要するケースが多いです。 解体して売却、土地活用、別の建物を建てる方法は、解体費用や既存の建物のキャッシュフロー等を考慮し、収支シミュレーションを行いましょう。 

 

不動産投資の出口戦略は結局どの方法が良い?

不動産投資の出口戦略として6つの選択肢をご紹介していきましたが、一体どの方法が良いのでしょうか? 売却、相続などそれぞれメリット・デメリットがありますので、物件の条件・投資の方向性、個々人の事情等を総合的に判断して出口戦略を立てる事が重要です。 出口戦略を見据えて購入をする場合には「築浅で都心、コンパクトファミリー向けの物件」が適しているでしょう。 

少子高齢化の影響で全国的に人口減少が続く中、東京の人口は増加しており物件の需要が高いエリアです。さらに築浅の物件を選ぶ事で「自分で住む」という出口戦略が可能になります。相続した後子供や親戚が住む事も可能です。コンパクトファミリー向けの1LDK程度の住宅は、単身者を始め広さによっては2,3人住む事が可能です。 「出口戦略の選択肢を広げたい」「相続や自身が住むことも視野に入れて運営したい」という方はコンパクトファミリー向けで都心の築浅物件を選びましょう。 

 

不動産投資の出口戦略は購入前から考えよう

不動産投資の出口戦略は、家賃収入による利益と売却益を足した額がローンの残債超える事を目標に、可能な限り資産としての価値が高い物件を選びましょう。6つの方法がありますが、選択肢が広くなる物件は「都心・築浅・コンパクトファミリー向け」となります。 購入前から出口戦略を立てておくことが重要ですが、自身で行う事が難しい方は不動産会社に相談し一緒に収支シミュレーションを行いましょう。 

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。